カウリス
Performance
株価チャート
業績・財務
業績・財務
| 売上高 | 14億円 |
| 営業利益 | 4億円 |
| 純利益 | 3億円 |
| 営業利益率 | 29.1% |
| ROE | 16.7% |
| ROA | 12.7% |
| 自己資本比率 | 75.9% |
| 総資産 | 22億円 |
| 純資産 | 17億円 |
業績推移
売上・利益の推移
ROE・ROA の推移
詳細指標
詳細指標
| ROIC | — |
| ROE | 23.09% |
| ROA | 14.12% |
| FCFマージン | — |
| 粗利益率 | 61.92% |
| 営業利益率 | 29.41% |
| 営業CFマージン | — |
| 配当性向 | 11.19% |
| 配当成長率(3年) | — |
| Net Debt/EBITDA | 6.29 |
| 実効税率 | — |
| 自社株買い傾向 | — |
バランスシート
バランスシート
| ネットキャッシュ | 13億円 |
| NC比率 | 18.0% |
| 流動資産 | 16億円 |
| 有価証券 | 3億円 |
| 現金 | 15億円 |
| 負債総額 | 5億円 |
| 時価総額(BS時点) | 70億円 |
企業レポート分析
ビジネスモデル
カウリス(153A)は、「情報インフラを共創し、世界をより良くする」をミッションに掲げ、金融機関・インフラ事業者向けのSaaS型不正アクセス検知サービス「Fraud Alert(フロードアラート)」を主力事業として展開している。同サービスは、WebサイトやスマホアプリにJavaScriptコードを数行埋め込むだけで稼働するクラウド型で、エンドユーザーのIPアドレス・端末情報・OS・ログイン場所・アクセス履歴など250以上のパラメータを独自アルゴリズムで分析し、「本人らしさ」をリアルタイムで判定する仕組みである。 2024年12月期には月間約5.5億件のログインをモニタリングし、うち約1.77%を不正疑いとして検知した実績を持つ。収益モデルは顧客のインプレッション数・ユニークユーザー数を基に月額利用料を課す月額課金型(MRR)が主体で、コンサルティングサービス(平均50万円〜)も提供する。 また、顧客間でブラックリスト(不正端末情報)を法令に基づき共有するプラットフォームを構築することで、業界横断的なネットワーク効果を創出している。2025年9月より、全国10社の一般送配電事業者と連携した「Grid Data KYC」を新たにリリースし、約8,000万世帯の電力契約データを活用した本人確認・継続的顧客管理サービスへの展開を開始した。
主要KPI
最重要KPIはMRR(月次経常収益)の成長と顧客あたりARPUの拡大である。メガバンク1社ではMRRが260万円からスタートし、現在は1,500万円超へ成長した事例があり、上位取引先のうちARR1億円超が5社(うち証券2社)に達している。売上高は2018年12期の0.74億円から2025年12期の14億円へ年平均50%超成長を遂げ、2026年12期は15.7億円(前年比+12.1%)を予想する。 営業利益率は2024年12期の33.7%から2025年12期は29.1%へ低下したが、2026年Q1(1〜3月)の経常利益は前年同期比36.5%増の1.31億円と反転改善が確認される。上位10社の売上高合計が全体の66.2%を占めることからエンタープライズ集中型の構造で、パレートの法則が機能している。財務指標では自己資本比率が2022年12期の26.6%から2025年12期の75.9%へ大幅改善し、有利子負債比率は6.0%まで低下している。 フリーCFは2025年12期に−1.65億円と一時マイナスに転じたが、これはGrid Data KYCのシステム構築投資(設備投資6,862万円)による先行投資効果であり、一時的な性質のものである。
成長ドライバー
第1の成長ドライバーは既存顧客へのクロスセル・アップセルである。現在ログイン検知のみ導入している大手金融機関に対して、入出金検知・新規口座開設検知・法人口座監視へ設置面を拡大することで、1顧客あたりのMRRを大幅に引き上げられる。地方銀行の最大手1社ではスマートフォンアプリ展開・法人バンキングへの導入が今期中に予定されている。 第2のドライバーは新サービス「Grid Data KYC」の拡販で、1,000億円規模のはがき送付マーケットをリプレイスする戦略であり、飯田信用金庫・UI銀行に続く10数社の信用金庫との商談が進行中である。第3のドライバーは2028年のFATF(金融活動作業部会)第5次審査であり、日本が2019年の審査で不合格となったことから規制強化が加速し、地方銀行・信用金庫のマネー・ローンダリング対策投資が前倒し顕在化している。第4のドライバーは市場拡大で、証券会社の不正口座乗っ取り被害額が2025年に約7,393億円に達するなど金融犯罪のデジタル化が加速しており、金融庁が管轄する証券・暗号資産・FX・損害保険各業界への端末モニタリング要請が2025年7月に発出されたことで潜在市場が拡大している。 2026年Q1の新規顧客として東京スター銀行・01銀行の導入が発表された。
リスク
第1リスクは特定顧客への依存で、2024年12期の上位10社売上合計が全体の66.2%を占めており、主要顧客の経営方針変更や契約解除が業績に直接的なマイナスを与える可能性がある。第2リスクは競合SIer(システムインテグレーター)との摩擦で、自行システムを持つSIerが外部ツールの導入を制限するポリシーを打ち出し、2025年には2社との解約が発生した。第3リスクは技術革新への対応で、Google・AppleのプライバシーポリシーをはじめとするCookie規制強化により端末識別の難易度が高まった場合、Fraud Alert単体の不正抑止効果が低下しうる。 第4リスクはGrid Data KYCの固定コスト負担で、一般送配電事業者10社に対し月額約950万円の固定費(ギャランティ+サーバー費+ソフトウェア償却)が発生しており、損益分岐点を超えるまでは当期利益を圧迫する。第5リスクは法的規制変更リスクで、個人情報保護法・犯収法の運用変更や、電力情報活用に関する規制強化が事業モデルを制約しうる。第6リスクはシステム障害・セキュリティ事故で、AWSに依存したクラウドインフラのシステム障害や、取り扱う個人情報の漏えいは信用失墜と法的責任に直結する。 加えて大株主(島津氏+rhizome合算53.2%)への集中や創業者依存、小規模組織リスクも挙げられる。
競合
直接的な競合として、国内ではセキュアスカイ・テクノロジー(スクリーニングツール)、AI系不正検知ベンダー、海外ではRSA Security・BioCatch等が挙げられるが、カウリスは犯収法の「法令に基づく場合」として警察庁から認定を取得した唯一のプレーヤーとして、顧客横断の不正情報共有を合法的に実施できる参入障壁を有する。これにより同業他社が不正情報を共有できない中で、カウリスは数十万件の不正端末情報を蓄積し、ネットワーク外部性(顧客が増えるほど検知精度が向上)を生み出している。 三井住友銀行を最初の顧客とし、現在はネット銀行の約7割と取引する実績がブランドとなっており、金融機関特有の高い保守性からスイッチングコストも大きい。Grid Data KYCにおいては、全国10社の一般送配電事業者との連携システムを独自開発し知的財産権も取得しており、後発参入は法令・技術・関係構築の面で極めて困難である。 一方、大手SIerとの競合が顕在化しており、地方銀行開拓においてはSIer主導のシステム更新サイクルに依存する構造的課題が残る。セキュリティ・金融犯罪の知見を両立する独自のコンサルティング能力が差別化要素の一つとなっている。
バリュエーション
2026年5月15日時点の時価総額は115億円、株価1,770円。PER(予)は40.18倍、PBRは7.28倍(実績ROE16.62%、予想ROE18.11%)。2026年12期の業績予想は売上15.7億円・営利4.1億円・純利2.82億円で、EPS予想44.06円に対してPER40倍は、年率12%程度の売上成長率に対してやや高めの評価水準といえる。 ただし営利率26〜30%超のハイマージンSaaSとしては合理的な範囲であり、2028年FATF審査を踏まえた市場拡大期待が織り込まれている。類似企業比較では金融セキュリティSaaS・フィンテックの国内小型成長株と同様のプレミアム評価で、直近株価はISS・機関投資家のSaaS売りが一巡し個人投資家主導で年初来高値圏を回復している。自己株式取得(上限27万株・3億円、2026年3月〜6月)を実施済みで株主還元姿勢も示す。 配当は2025年12期に初配当4.8円(利回り0.31%、配当性向11.2%)を開始し、2026年12期は5.5円を予定。Grid Data KYCが損益分岐点を超えた場合、追加の利益成長余地があり上方修正の可能性を内包する。売上高30〜35億円到達時に営業利益率40%を目指すという会社目標が達成されれば、現時点の時価総額は割安に見直される可能性もある。
企業情報
Caulis Inc. engages in the development and provision of unauthorized access detection services in Japan. The company offers Fraud Alert, a cloud-based unauthorized access detection service for businesses; Grid Data KYA, a service that verifies identity using electricity contract information; phishing countermeasure services; and account resale information services. It serves financial institutions and companies, including banks, credit unions, life and non-life insurance companies, securities companies, lending companies, credit card companies, virtual currency exchanges, and money transfer businesses. Caulis Inc. was incorporated in 2015 and is headquartered in Chiyoda, Japan.
| ウェブサイト | https://www.caulis.jp |
| 住所 | FINOLAB, Otemachi Building, Chiyoda, 100-0004, Japan |
| 電話番号 | 81 3 4577 6567 |
| 取引所 | JPX |
| 国 | Japan |