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Performance
株価チャート
業績・財務
業績・財務
| 売上高 | 36億円 |
| 営業利益 | 4億円 |
| 税引前利益 | 4億円 |
| 純利益 | 3億円 |
| 営業利益率 | 10.8% |
| ROE | 2.9% |
| ROA | 1.7% |
| 自己資本比率 | 59.4% |
| 総資産 | 154億円 |
| 純資産 | 92億円 |
詳細指標
詳細指標
| ROIC | — |
| ROE | — |
| ROA | — |
| FCFマージン | — |
| 粗利益率 | — |
| 営業利益率 | — |
| 営業CFマージン | — |
| 配当性向 | — |
| 配当成長率(3年) | — |
| Net Debt/EBITDA | — |
| 実効税率 | — |
| 自社株買い傾向 | — |
バランスシート
バランスシート
| ネットキャッシュ | 27億円 |
| NC比率 | 64.8% |
| 流動資産 | 80億円 |
| 有価証券 | 10億円 |
| 現金 | 9億円 |
| 負債総額 | 60億円 |
| 時価総額(BS時点) | 42億円 |
企業レポート分析
ビジネスモデル
コーアツ工業株式会社は、プレストレストコンクリート(PC)技術を核に据えた専門土木建設会社である。主力の建設事業では、PC橋梁工事(新設・補修)と基礎工事(杭打工事・地盤改良等)の2部門が収益の中心を担い、売上高の8〜9割を公共工事が占める構造となっている。連結子会社の株式会社ケイテックが橋梁・各種構造物の補修工事部門を担い、本体の新設工事部門と役割分担を図ることで、インフラ整備から維持管理まで一貫したサービス提供を目指す。 コンクリート製品事業では、PC桁・床版・消波ブロック等の製造・販売と型枠賃貸を行い、工事部門とシナジーを創出する。不動産事業と太陽光売電事業も展開しているが、売上構成上は建設事業が圧倒的な主力である。受注から設計・施工・監理まで自社完結型のビジネスモデルにより、鹿児島市本社を拠点に九州全域・関東・東海・関西など全国規模で展開する。 2025年9月にウエムラによる1株1840円のTOBが成立し、同年11月に東京・福岡証券取引所の上場を廃止した。
主要KPI
コーアツ工業の主要KPIとして最重視されるのは売上高成長率と経常利益率の水準維持である。2025年9月期の売上高は139.4億円(前期比+15.6%)、経常利益は10.84億円(前期比+96%)を達成し、経常利益率は7.8%と直近10年で最高水準に迫った。過去10年の傾向では、経常利益率は概ね0.2〜9.6%の間で変動し、2021年9月期の12億円・11.46%が直近ピークであった。 受注残高と受注工事の采配が利益率を大きく左右するため、工事採算管理が重要なKPIとなっている。財務面では自己資本比率58.5%、有利子負債ゼロ(2023年9月期から無借金経営)が健全財務の指標として管理される。BPS(1株あたり純資産)は4,142.82円と着実に積み上がり、長期的な企業価値向上を示す。 配当面では業績に応じた配当を維持してきたが(直近は1株35円/2024年9月期)、TOBに伴い2025年9月期は無配となった。ROEは4.33%(2025年9月期)と低水準にとどまっており、資本効率改善が課題として認識されていた。
成長ドライバー
コーアツ工業の成長ドライバーの第一は、国土強靭化計画に基づく公共インフラ投資の継続的拡大である。国土交通省が推進する橋梁・高速道路の大規模更新事業や老朽化インフラ対策は、PC橋梁専業に近いコーアツ工業に直接的な受注機会をもたらす。第二の成長ドライバーは、コンクリート構造物のプレキャスト化推進政策である。 国が省力化・品質均一化を目的にプレキャスト化を推奨する中、PC製品製造能力を持つ同社は工場設備拡充と製造技能者育成を強化しており、PC関連コンクリート製品の需要拡大に対応できる体制を整えている。第三として、沖縄・離島地域でのPC橋梁・護岸工事や地盤改良工事といったニッチ分野での強みが挙げられる。鹿児島本社を活かした九州・沖縄での地元ネットワークと、茨城・愛知・神戸等に営業所を設置した全国展開も受注基盤拡大を後押しする。 2024年9月期の売上高が前年比+22.5%、2025年9月期も+15.6%と高成長が続いており、公共投資の拡大局面での恩恵を享受している。
リスク
最大のリスクは公共事業依存構造であり、有価証券報告書でも明示されているとおり、売上高の8〜9割を公共工事が占める。政府の財政悪化や公共投資削減局面では業績が大きく下振れするリスクがある。実際、2022・2023年9月期は売上高が100億円前後まで落ち込み、営業利益も3.8〜8.7億円と圧縮された局面があった。 第二のリスクは資材・外注労務費の高騰である。鉄筋・セメント・骨材等の建設資材価格の上昇や労務費の高騰は請負金額への転嫁が困難なケースが多く、工事採算を直撃する。2023年9月期の原価率上昇(87.44%)と利益率低下(営業利益率3.86%)はこのリスクが顕在化した例である。 第三に建設技術者・技能労働者の慢性的不足リスクがあり、工事進捗の遅延や人件費高騰に直結する。第四の重大リスクとして、2025年のウエムラによるTOB成立・上場廃止という企業支配構造の変化があり、上場廃止後の経営方針の変更や非公開化に伴うガバナンス問題が生じうる。瑕疵担保・製造物責任リスク、現場での重大労災リスク(指名停止リスク)、地震・台風等の自然災害リスクも構造的リスクとして有報で明示されている。
競合
コーアツ工業は、PC橋梁工事・基礎工事・コンクリート製品製造という特定専門分野に特化した中堅建設会社であり、同規模の専業企業群と競合する。国内PC橋梁市場では、PC橋梁工業会に加盟する大手ゼネコン(大林・清水・鹿島等)のPC部門や、ピーエス三菱・日本ピーエス等のPC専業大手との競争に加え、九州・沖縄地域の地場中堅建設会社とも激しい競争環境にある。 コーアツ工業の競合優位性は、PC橋梁・基礎工事の高度な施工技術と実績の積み重ね、鹿児島を基盤とした九州全域での地元営業力、製造部門との一体化によるコスト競争力にある。一方で、規模の観点では売上高100〜140億円と大手ゼネコンに比べ格段に小さく、受注競争では大型案件での不利がある。 東証スタンダード上場の同業種比較では、ソネック(1768)、太洋基礎工業等と類似のポジションにある。TOB成立により親会社ウエムラ傘下に入ったことで、グループ内受注連携が強化される可能性があるが、独立性は低下した。
バリュエーション
コーアツ工業のバリュエーションは、上場廃止直前の2025年11月時点でPER10.15倍、PBR0.44倍、時価総額約41億円であった。TOBの買付価格1株1840円は、公表前日終値1727円に対して約6.5%のプレミアムにとどまり、PBR0.44倍という極度の低評価を前提とした買付価格設定となった。過去10年のPERレンジは赤字〜35.4倍と業績変動に応じて大きく振れており、好業績時(2019〜2021年)でもPER6〜8倍程度と低評価が続いた。 PBRは過去最高1.22倍(2022年9月期)で、それ以外は概ね0.2〜0.5倍の解散価値以下での推移が常態化していた。ROE4〜8%台と資本効率の低さ、流動性の低さ(年間出来高3,000〜4,000株台が常態)、小型・非成長株として機関投資家の関心が薄かったことが慢性的低評価の原因である。2025年9月期の実績EPSは179.56円(前期比-31%、減損損失計上の影響)であり、TOB価格1840円はPER10.2倍に相当する。 純資産ベースでは上場廃止時のBPS4,142.82円に対してTOB価格はPBR0.44倍と大幅なディスカウントであり、純資産に対して著しく低い買収評価が問題視された。