事業モデル
同社はクラウド型コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」を提供し、顧客対応業務の課題解決に取り組んでいます。固定電話への着信時に顧客情報をポップアップ表示する機能に加え、SMS、通話録音、ビデオ通話、メール連携など多種多様なチャネルを一元管理する仕組みを構築しています。
これらの機能を統合することで、担当者のスキルに依存する属人化の解消や、組織的な顧客管理を実現します。また、一部機能を他社へOEM提供することで、パートナー企業の販売力やブランドを活用した市場展開も進めています。
KPI
当事業年度におけるアクティブユーザー数は、会社数で3,182社(前事業年度末比10.1%増)、拠点数は6,202拠点(同9.8%増)と推移しました。これらの数値は、自動車や不動産など特定のニーズが高い業界への注力によるものです。
売上高は1,464,358千円(前事業年度比18.8%増)を記録し、成長基調にあります。一方で営業利益は60,108千円(同23.0%減)となりましたが、一過性費用の減少により当期純利益は42,955千円(前事業年度比167.2%増)へと大きく伸長しています。
成長ドライバー
成長の源泉は、生成AIを活用した高度な機能実装と、多チャネルへの対応範囲の拡大にあります。当事業年度には「AI自動要約機能」や「クレーム・カスタマーハラスメント判定機能」などの新機能を相次いで提供し、顧客企業の生産性向上を支援しています。
また、2025年1月にはCTI機能を標準装備したクラウド電話サービス「カイクラフォン」をリリースしました。これにより、テレワークや外出先を含む多様な環境での効率的な電話対応が可能となり、さらなる市場の取り込みを見込んでいます。
リスク
主なリスクとして、クラウドサービス市場における経済動向による需要の変化や、競合他社との競争激化が挙げられます。特に「カイクラ」の各機能や新設された「カイクラフォン」において、類似サービスを提供する競合との差別化を維持し続ける必要があります。
また、生成AI等の技術革新のスピードに対応するための継続的な開発投資も不可欠です。さらに、システム基盤がインターネットに依存しているため、通信網の障害やサイバー攻撃によるサービス停止のリスクにも対応する体制が求められます。
競合
同社は、単なるアプリケーション提供にとどまらず、ハードウェア(アダプター)とソフトウェアを組み合わせた独自の仕組みで差別化を図っています。生成AI等の技術進展により競合他社の参入や機能模倣が進む可能性があるものの、独自のアプローチで優位性を維持する方針です。
市場環境としては、企業のDX推進に伴うクラウドサービスの普及が加速しており、特にCRMの重要性が高まっています。同社は、特定の業界に対する深いアプローチと、パートナー企業との連携を通じて、競合他社との差別化を継続しています。
バリュエーション
2026年7月31日時点の株価は744円であり、時価総額は約23.9億円となっています。同日の市場データに基づくPERは57.14倍、PBRは2.28倍と算出されています。
これらの指標は、成長期待を反映した評価となっており、今後のAI機能の拡充やシェア拡大が注目されます。投資判断にあたっては、提供されるサービスの独自性と、継続的な技術革新への対応力が重要となります。
