事業モデル

同社は、豪州、アブダビ、東南アジアなど世界各地の主要な鉱区において原油および天然ガスの探査、開発、生産を行う事業を展開しています。特に2025年12月31日時点で確認されている埋蔵量は、原油・コンデンセート・LPGで2,441百万バレル、天然ガスで3,562十億立方フィートにのぼります。

国内においては、輸入LNGを原料とした気化ガスの調達や、国内ガス田からの生産を通じて安定的な供給体制を構築しています。これらの活動は、エネルギーの安定供給と経済効率性のバランスを追求する方針に基づき、多角的なポートフォリオで構成されています。

KPI

当連結会計年度における売上収益は2兆113億円に達し、前年比で約11.2%の減少となりました。この要因は主に原油販売価格の下落によるものであり、原油売上収益が10.6%減、天然ガス売上収益が14.7%減となっています。

一方で、原油の販売数量は前年比で4.1%増加しており、供給量の拡大が見られます。営業利益は1兆1,354億円(前年比10.7%減)を計上し、資源価格や為替動向の影響を受けながらも、大規模な事業規模を維持しています。

成長ドライバー

同社は「INPEX Vision 2035」に基づき、責任あるエネルギー・トランジションの実現に向けた戦略を推進しています。特に、移行期の燃料として重要性が高まる天然ガスやLNGへの注力に加え、水素やアンモニアといった低炭素ソリューションの開発に重点を置いています。

具体的には、新潟県におけるブルー水素・アンモニア製造の実証試験を進めており、2026年内の実証運転開始を目指しています。また、既存の石油・天然ガス生産施設へのCCS導入や、次世代エネルギーに向けた技術革新を通じて、持続可能な成長を目指す方針です。

リスク

事業構造上、特定の地域や鉱区に対する依存度が高く、これらのエリアで操業が困難になった場合には業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に豪州やアブダビといった主要な供給源における地政学的リスクや、自然災害による設備損傷のリスクが含まれます。

また、探鉱・開発活動には多額の費用が必要であり、資源の発見が必ずしも商業生産に結びつかないという技術的・経済的な不確実性が伴います。さらに、環境規制の強化や気候変動への対応に向けた追加的な投資負担、およびサイバー攻撃等によるシステム障害も重要なリスク要因として認識されています。

競合

同社は、世界各地に広がる拠点を活用し、エネルギー供給の安定性を確保する立場にあります。競合他社と比較しても、大規模な埋蔵量を有する主要鉱区を保有しており、強固な事業基盤を有しているとみられます。

特に国内天然ガス分野においては、輸入LNGの調達から供給までの一貫した体制を構築しています。エネルギー転換期において、既存の石油・天然ガス資産を活用しながら低炭素技術を統合する戦略により、独自の優位性を確保しようとして動いています。

バリュエーション

2026年7月31日時点の株価は3,627円となっており、同日の時価総額は約4兆2,152.6億円です。この時点でのPERは10.98倍、PBRは0.86倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは2.98%となっています。これらの指標は、資源価格の変動やエネルギー政策の変化といった外部要因の影響を受けながら推移する傾向にあります。