事業モデル

同社は「DX伴走支援サービス」を主たる事業として展開しており、制作やマーケティング、データ活用など5つの領域で提供を行っています。3名以上の専門スキルを持つデジタルクリエイターが顧客企業専任チームを編成し、実務に寄り添う形で企業のデジタルトランスフォーメーションを推進します。

特に「Digital Growth Team」というモデルを通じて、顧客の強い内製志向に応えるためのハンズオン支援やアジャイルな実行支援を提供しています。脱炭素DXを軸としたサステナブル経営の基盤構築も戦略的に進めており、単なる制作にとどまらない高度なコンサルティング要素を含むサービスを展開しています。

KPI

当連結会計年度において、重要指標である付加価値売上高は前年比10.5%増の23,507百万円に達し、過去最高を更新しました。DX領域の付加価値売上高成長率は前年同期比32.6%増と非常に高く、全社における同領域の構成比も順調に拡大しています。

また、人材育成に関するKPIも達成しており、DX人材比率は目標の65.0%を上回る72.0%となり、PMO人材数は1,482名に達しました。新卒1年目のデジタルクリエイターの稼働率も前年同期比32.4ポイント増の61.0%へと大幅に改善しており、組織の生産性が向上しています。

成長ドライバー

成長の主な原動力は、高付加価値なDX領域への戦略的なシフトと、それに伴う収益性の向上です。この転換により売上総利益率は前年比5.5ポイント増の26.4%となり、高度な技術を要する案件への注力が進んでいることが示されています。

また、AI利活用の全社的な本格化や、AI駆動開発伴走支援の開始など、最新技術を取り入れたサービス拡充も成長を支える要素です。さらに、UIUXデザインに強みを持つ子会社の買収など、機動的な投資を通じて専門性の強化と組織体制の拡大を図っています。

リスク

DXやインターネット関連業界は参入障壁が低く、技術進歩のスピードが速いため、新技術の出現による競争激化や既存事業の代替リスクが存在します。また、広告市場は景気動向に左右されやすく、経済状況の変化が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、AIの急速な進化に伴う法的・倫理的リスクへの対応や、高度なスキルを持つ人材の確保と定着も重要な課題です。また、広告業界特有の取引慣行として、広告主の倒産による未回収リスクや、書面のない契約におけるトラブルのリスクも認識されています。

競合

同社は、単なる制作受託ではなく、顧客企業のDX内製化を支援する「伴走型」のポジションで差別化を図っています。専門スキルを持つクリエイターが専任チームとして動くことで、競合他社と比較して高い付加価値を提供しています。

市場環境としては、企業によるDX投資の活況や脱炭素への対応など追い風がある一方で、深刻な人材不足が課題となっています。同社は「SINCA90」プロジェクトなどを通じて独自の専門人材を育成し、高度な技術と人的資源の確保によって競争優位性を確立しようとしています。

バリュエーション

2026年7月31日時点の株価は888円であり、同日の時価総額は約113.8億円となっています。この時点でのPERは9.38倍、PBRは1.71倍と算出されています。

また、同日時点の配当利回りは3.94%となっており、投資家に対して一定の還元姿勢を示しています。これらの指標は2026年8月1日のデータに基づいた評価となります。