事業モデル

同社は地理情報システム(GIS)のノウハウを基盤に、警察や消防、自治体などの官公庁向けクラウドサービス(SaaS)を展開しています。主な提供サービスには、緊急通報システム「NET119」や映像通報システム「Live119」、災害情報共有サービス「DMaCS」などがあります。

これらのサービスは、初期構築の請負費用と継続的な月額利用料から構成されるストック型収益を主軸としています。また、電力事業者向けのシステム開発などの受託開発(SI)も手掛けており、地理情報に関連する高度な技術力を活用した多角的な展開を行っています。

KPI

当事業年度の売上高は1,646,699千円となり、前事業年度比で9.7%の増加を記録しました。そのうち、クラウド利用料が824,974千円と全体の約半分を占めており、ストック型収益の積み上がりが確認できます。

利益面では、売上高の伸びがコスト増を上回ったことで、営業利益は574,136千円(前年比7.7%増)、当期純利益は418,774千円(前年比7.9%増)となりました。また、研究開発費として5,337千円を投じ、AI技術を用いたプロトタイプアプリの開発などを推進しています。

成長ドライバー

成長の柱として「Gov-tech市場の深耕」を掲げ、防災やライフラインの安定供給に寄与するサービスの導入拡大を進めています。特に「NET119」は高いカバー率を維持しつつ、次世代の「Live119」や「Live-X」といった映像技術を活用したサービスへの移行を加速させています。

さらに、AIを活用したクラウドサービスの展開や、資本業務提携を通じたシナジー創出にも取り組んでいます。2026年5月期から始まる第2次中期経営計画では、売上高1,700百万円、営業利益610百万円といった目標を掲げ、持続的な成長を目指す方針です。

リスク

主要顧客が地方自治体等の官公庁に集中しているため、公共予算の動向や政府の政策変更による影響を受けやすい構造となっています。また、特定の主力サービスである「NET119」への依存度が高く、代替技術の普及などにより契約数が減少するリスクも内包しています。

さらに、高度な専門性を要する事業特性から、IT人材の確保や特定個人への業務依存といった人的リソースに関する課題も指摘されています。また、システム障害による信頼低下や、受託開発における仕様の齟齬に伴う追加コストの発生など、運用面でのリスクにも対応が必要です。

競合

同社は防災・防犯分野に特化した独自の技術とノウハウを強みとしており、先行者メリットを活かした優位性を構築しています。特許の取得にも積極的に取り組むことで、参入障壁の構築を図る戦略をとっています。

一方で、官公庁向け市場における競合他社の存在や、技術革新に伴う価格競争の激化といったリスクも認識されています。同社はこれらに対し、独自の知見を活かした付加価値の高いサービスへの転換を進めることで、優位性の維持を図っています。

バリュエーション

2026年7月31日時点の株価は1,230円となっており、この時点での時価総額は約73.1億円です。同日の市場データに基づくPERは15.77倍、PBRは2.45倍と算出されています。

また、同日に示された配当利回りは1.30%となっています。これらの指標は、同社が推進するストック型ビジネスへの移行と、公共セクターにおける強固な地盤を反映した評価となっています。