事業モデル

同社は、複数の権利者が存在することで活用が制限されている「底地」や、老朽化により収益性が低下した「居抜き」物件を主軸とした不動産販売事業を展開しています。独自のノウハウを用いて権利関係の調整を行い、不動産の価値を高めた上で仲介業者等を通じて販売するモデルを構築しています。

さらに、単なる売買だけでなく、地代の集金業務や賃貸借契約の更新手続きを一括して請け負う「オーナーズパートナー」などの付加価値サービスも提供しています。全国7拠点に営業拠点を構え、多様な不動産ニーズに対応する体制を整えています。

KPI

当連結会計年度における売上高は23,348百万円となり、前年同期比で8.9%の減収となりました。一方で、営業利益は2,247百万円(同19.4%増)、経常利益は1,852百万円(同16.8%増)と、増益傾向にあります。

販売実績の内訳では、底地が11,642百万円と大きく寄与しており、居抜きや所有権の動向とは異なる推移を見せています。仕入面では、底地および居抜きの仕入高が増加し、前年同期比で21.0%の増加を記録しています。

成長ドライバー

中期経営計画において、既存事業である底地・居抜き事業における仕入強化に向けたスキームの高度化を継続する方針です。また、派生事業のスケール化や地域活性化推進事業の基盤構築など、多角的な成長戦略を描いています。

次期(2026年12月期)の目標として、売上高25,500百万円、営業利益2,400百万円を見込んでいます。これらを実現するため、資金調達の多様化や販売用不動産の管理体制強化といった財務・非財務両面での戦略実行を推進しています。

リスク

同社の事業は、景気動向や金利動向の影響を受けやすく、特に権利調整における物件の評価額が市場環境に左右される特性があります。また、所有する不動産の価値下落や、災害等による毀損・滅失のリスクも常に存在します。

さらに、日本の不動産登記には公信力がないため、複雑な権利関係を正確に把握することが困難なケースもあり、調査の難易度が課題となります。加えて、仲介交渉の進捗や物件の仕入競争の激化など、事業運営における複数の不確実性が経営成績に影響を与える可能性があります。

競合

同社は、単なる不動産仲介にとどまらず、権利関係が複雑な「底地」や「居抜き」といった特殊な案件を専門的に扱うことで独自の立ち位置を築いています。これらの物件は、適切な権利調整を行うことで価値を高めることが可能であり、高度なノウハウが競争優位の源泉となっています。

また、オーナーズパートナーのような一括管理サービスの提供により、地主や所有者との強固な関係性を構築しています。こうした付加価値の高いサービスを展開することで、競合他社との差別化を図りながら事業の安定性を確保しています。

バリュエーション

2026年8月4日時点の市場データにおいて、同社の株価は631円となっており、PERは8.08倍と算出されています。PBRは0.71倍であり、配当利回りは4.67%を記録しています。

これらの数値は、同社が保有する不動産資産や事業の安定性を反映した水準となっています。投資判断にあたっては、これら市場データに基づいた評価と、独自の権利調整ノウハウによる収益構造を合わせて検討する必要があります。