事業モデル
同社は東京23区を中心とした中規模オフィスビルへの投資と、それらの物件に対する適切な管理・改修による価値向上(バリューアップ)を主軸としています。不動産鑑定士や宅地建物取引士などの専門家によるデューデリジェンスを行い、迅速な意思決定のもとで物件を取得しています。
さらに、アセットマネジメント事業や、個人投資家向けに少額から不動産投資を可能にする「OwnersBook」を通じたクラウドファンディング事業を展開しています。これらの多角的なアプローチにより、安定した賃貸収益の確保と、多様な投資家層へのサービス提供の両立を図っています。
KPI
当連結会計年度において、売上高は44,633百万円(前年同期比29.7%増)を記録し、堅調な不動産マーケットを背景に全事業が順調に進捗しました。特にホテル運営事業の売上が157.4%増加するなど、各部門で成長が見られます。
アセットマネジメント事業においては、当連結会計年度末時点で1,100億円超の受託資産残高(AUM)を確保しています。また、クラウドファンディング事業では、前年比26.1%増となる829百万円の売上を計上し、新たなエクイティ型案件の提供も開始しました。
成長ドライバー
成長の主要な原動力は、東京23区という流動性の高いエリアでの不動産ストック拡大と、それに基づく安定的な賃貸収益の積み上げです。これにより固定費を安定的に賄える経営基盤の構築を目指しています。
また、デジタル証券(STO)分野への注力も重要な成長因子です。2025年12月に取得したHash DasH Holdings社のリソースを活用し、不動産セキュリティトークン市場において独自の地位を確立する体制を整えています。
リスク
主なリスクとして、金利動向や地価動向といった経済情勢の変化が事業に与える影響が挙げられます。特に物件取得資金の多くを金融機関からの借入に依存しているため、金利上昇局面では支払利息の増加が業績を圧迫する可能性があります。
また、不動産売却による収益は引渡時期によって四半期ごとの業績に偏りや翌期への繰り越しが生じる可能性があることも指摘されています。これに対し、同社はアセットマネジメント等のストック型収益の比率を高めることで、経営の安定化を図る方針です。
競合
不動産投資およびアセットマネジメント分野では多くの競合が存在しますが、同社は専門性の高い人材とネットワークを活かした迅速な意思決定で優位性を築いています。特に東京市場における高度な知見が強みとなっています。
クラウドファンディング事業においては、先行して不動産特化型サービスを開始している実績や、上場企業としての信頼力が競合に対する差別化要因となります。また、急速に拡大する不動産STO市場においても、技術と顧客基盤の融合により独自の地位を確立することを目指しています。
バリュエーション
2026年8月5日時点の市場データにおいて、同社の株価は2,711円となっており、PERは5.75倍、PBRは1.29倍と算出されています。配当利回りは3.62%を記録しています。
これらの数値は、不動産という実物資産を背景とした事業構造を反映した水準にあります。投資家に対しては、安定的な賃貸収益の積み上げと、デジタル証券などの新領域への展開による成長性の両面が評価のポイントとなります。
