事業モデル

同社は「Object Browser事業」「ERP事業」「AI事業」の3つの柱で構成される事業ポートフォリオを展開しています。高収益な自社開発ツールを提供するObject Browser事業と、売上を牽引するERP事業、そして将来を見据えた新規のAI事業をバランス良く配置しています。

各事業において自社ソフトウェアの開発・販売に加え、他社製品の提供も行うことで顧客の課題に合わせた最適なソリューションを提供しています。特にERP事業では「GRANDIT」や「SAP S/4HANA® Cloud Public Edition」など、多様なニーズに対応する製品群を揃えています。

KPI

当連結会計年度において、売上高は前年同期比16.5%増の5,558,183千円に達し、営業利益は同119.3%増の595,411千円と大幅な伸長を見せました。ERP事業の売上高が20.7%増、セグメント利益が40.7%増と大きく寄与しています。

受注実績においても、ERP事業で141.7%の伸びを記録しており、将来の収益への期待が高まっています。また、生産実績は全セグメントにおいて前年を上回る推移を見せており、強固な受注・販売基盤が確認できます。

成長ドライバー

成長の源泉は、特定の製品に依存しない多軸的な事業展開と、AI技術の積極的な統合にあります。ERP事業では「SAP」や「mcframe」への展開を進め、グローバル展開や製造現場のDX需要を取り込む戦略を推進しています。

また、2033年2月期に向けた中長期目標として、売上高120億円、営業利益20億円を目指す野心的な計画を掲げています。近年のAI技術の進化を追い風と捉え、既存製品へのAI組み込みによる付加価値向上を図ることで、次なる成長軌道への移行を図っています。

リスク

主なリスク要因として、特定のERP製品に対する高い売上依存度や、AIの急速な進化に伴うビジネスモデル変革への対応が挙げられます。これに対し、同社は複数製品への展開とストック型ビジネスの比率向上により、特定製品への依存を段階的に低減させる方針です。

また、高度なスキルを持つITエンジニアの確保・育成も重要な課題として認識されています。人材流出を防ぐための教育体制の強化や、AIを活用した効率的な人材育成システムの構築を通じて、競争力の源泉である「人」の確保に注力しています。

競合

同社は、単なるソフトウェア販売にとどまらず、顧客の業務プロセスに深く入り込むシステムインテグレーションの強みを持っています。特に製造業向けや建設・ソフトウエア業向けの独自モジュールを開発することで、競合他社との差別化を図っています。

市場環境としては、AIやクラウド、SaaSの普及により企業システムの再構築需要が高まる一方で、深刻なエンジニア不足が課題となっています。同社は、高度な技術力と専門性を有する人材の確保・育成を競争優位性の源泉として位置づけています。

バリュエーション

最新の市場データにおいて、株価は428円、時価総額は約46.9億円となっています。PERは10.24倍、PBRは1.05倍と、現在の業績水準を反映した評価となっています。

配当利回りは2.56%となっており、安定的な経営基盤を有しています。成長に向けた投資と収益性のバランスを保ちながら、中長期的な目標達成に向けた企業価値の向上を目指すフェーズにあります。