事業モデル
同社は基幹化学品、ポリマー・オリゴマー、接着材料、高機能材料、樹脂加工製品の5つの主要セグメントを展開する多角的な事業構造を有しています。基礎素材から消費者向け最終製品まで幅広く展開しており、景気変動の影響を受けにくいバランスの取れたポートフォリオを構築しています。
特にポリマーや接着剤などの高付加価値製品は、モビリティやエレクトロニクスといった成長分野での需要を取り込んでいます。また、独自の技術力を基盤とした研究開発に注力しており、高度な機能性を備えた新材料の創出を通じて競争優位性を確保しています。
KPI
当連結会計年度において、売上高は1,623億1千2百万円を記録し、営業利益は141億8千万円となりました。研究開発費については、全社で6,708百万円を投じており、次期に向けた高い技術水準の維持に貢献しています。
中期経営計画「Connect and Create 2028」では、2028年までに売上高1,800億円、営業利益180億円を目指す目標を掲げています。また、研究開発費の売上高比率4%以上を継続し、高度な技術力を維持するための投資を継続する方針です。
成長ドライバー
成長の柱として、モビリティ、半導体、メディカル、環境インフラといった重要分野への注力と、それらに対する研究開発力の強化が挙げられます。特に高機能ポリマーや高度な接着剤など、技術的な差別化が可能な領域での展開を加速させています。
また、2026年から2028年の3年間で計590億円の設備投資を行う計画を策定しており、ソーダ電解工場の更新や高機能ポリマー工場の増強を進めています。これらの投資を通じて、生産基盤の強化と事業領域の拡大を図り、持続的な成長を目指す方針です。
リスク
化学製品の製造を主軸とするため、火災や爆発、化学物質の漏えいといった事故による操業停止や損害が発生するリスクがあります。これに対し、緊急時自動停止装置の設置や定期的な防災訓練、保険への加入などの対策を実施しています。
また、原材料価格の変動や競合他社との価格競争、地政学的リスクに伴う貿易制限などが事業環境に影響を及ぼす可能性があります。特に汎用化学製品においては差別化が困難な側面があるため、高付加価値製品へのシフトによる対応を進めています。
競合
同社の強みは、基礎素材から最終製品まで多岐にわたる製品群を持ち、景気変動に対して耐性のある事業構造を構築している点にあります。特にポリマーや接着剤といった高度な技術を要する分野では、独自の知見に基づく差別化を図っています。
一方で、基幹化学品などの汎用的な製品については、競合他社との価格競争が激化しやすい環境にあります。同社はこれに対し、高付加価値領域への集中と研究開発の強化を通じて、市場における優位性の確保を追求しています。
バリュエーション
2026年8月7日時点の株価は1,887円であり、この時点でのPERは14.75倍となっています。同日のデータに基づくPBRは0.90倍となっており、配当利回りは4.01%を記録しています。
中期経営計画においては、2028年までにPBR1.0倍以上を目指す目標を掲げています。また、株主還元方針として、期間平均で配当性向を70%程度に高めるなど、資本効率の改善と株主への積極的な還元を通じた企業価値の向上を図る方針です。
