事業モデル
同社は「インフラ×テクノロジー」を軸としたインフラテック事業を展開しており、通信・電力・ガス等のインフラ事業者に対し設計、施工、運用、保守などのサービスを提供しています。
独自のプロジェクト管理システム「BLAS」やRPA、AI(画像認識)を活用することで、現場管理の効率化やヒューマンエラーの低減を実現しているのが特徴です。これらの技術を基盤に、モバイルエンジニアリングとIoTエンジニアリングの二本柱で事業を展開しています。
提供するサービスには、単発の請負案件であるフロー型ビジネスだけでなく、契約更新により継続的に収益を生むストック型ビジネスが含まれており、安定的な運営体制を構築しています。また、全国に拠点を構え、広範な協力会社ネットワークを活用することで、大規模な案件にも対応可能な体制を有しています。
KPI
同社は企業価値の向上と株主価値の最大化に向けた経営指標として、EBITDAを重視しています。
2025年6月期の業績は、売上高が7,984,144千円(前年同期比17.0%増)、営業利益が177,862千円(前年同期比119.5%増)と大幅な成長を記録しました。特に営業利益の伸びは、IoTエンジニアリングにおけるストックビジネスの拡大や販売単価の向上が寄与しています。
中期経営計画では、2026年6月期の売上高目標を530百万円(※注:報告書内の単位換算に基づく)と掲げており、継続的な成長を目指す姿勢が鮮明となっています。また、当期純利益は96,644千円となり、前年同期比で458.9%の増益を達成しています。
成長ドライバー
成長の主要な原動力は、IoTエンジニアリングサービスにおけるストック型ビジネスへの転換と、独自システム「BLAS」の展開にあります。
特にIoT分野では、機器設置といったフロー案件から、監視・保守などの継続的な業務へと範囲を広げており、これが収益基盤の強化に寄与しています。また、2023年9月より開始したSaaSとしての「BLAS」提供や、BPOと組み合わせたBPaaSとしての展開により、さらなる顧客層の拡大を目指しています。
さらに、ITインフラ領域への事業拡大も計画されており、保守から高単価な上流工程へと参入範囲を広げることで、将来的な成長機会を創出する方針です。これらの施策を通じて、特定の通信事業者への依存度を低減しつつ、多角的な収益構造の構築を進めています。
リスク
主なリスク要因の一つは、主要顧客である通信事業者の設備投資動向に左右される点であり、特に特定企業への売上依存度の高さが課題となっています。
これに対し同社は、IoTエンジニアリングサービスを通じて他業界の新規顧客を開拓し、収益基盤の多様化を図ることでリスク低減に取り組んでいます。また、高度な技術を扱うため、情報セキュリティやシステム品質の確保も重要な経営課題として位置づけられています。
さらに、建設業関連の許認可維持や労働者派遣法などの法的規制への対応も不可欠であり、これらに対する継続的な管理体制の構築が求められます。自然災害や通信ネットワークの遮断といった外部要因による事業中断リスクに対しても、BCP対策を整備・運用することで対応を図っています。
競合
同社はインフラテック分野において、独自の技術力と広範な協力会社ネットワークを武器に競合優位性を構築しています。
特に「BLAS」を用いたプロジェクト管理の自動化やAIによるデータ照合は、現場の工数削減と品質向上を実現する重要な差別化要因となっています。これらの強みにより、単なる施工・運用にとどまらない付加価値の高いサービス提供を可能としています。
市場環境としては、通信インフラやリモートモニタリング分野は将来的な成長が見込まれる一方で、国内外の事業者の参入も予想される領域です。同社は先行した技術導入と全国規模のネットワーク体制により、競合に対する優位性を維持する戦略をとっています。
バリュエーション
2026年8月7日時点の市場データにおいて、同社の株価は1,665円となっています。
この時の時価総額は約30.4億円であり、PERは26.53倍、PBRは1.42倍と算出されています。これらの数値は、同社が成長期待を伴うインフラテック企業として評価されていることを示唆しています。
投資判断の際には、これら2026年8月7日時点の指標に加え、IoT分野へのシフトによる収益構造の変化や、独自技術によるコスト削減効果を考慮する必要があります。
