事業モデル

同社は「ヘルスビッグデータ」と「遠隔医療」の2つの主要セグメントを展開しています。ヘルスビッグデータ事業では、製薬企業や保険会社向けに匿名化された疫学データを提供し、アドホック販売やデータベース販売を通じて高い付加価値を提供しています。

遠隔医療事業においては、国内最大規模の放射線診断専門医プラットフォームを構築しており、医療機関と読影医をマッチングするサービスを展開しています。また、独自の健康情報プラットフォーム「Pep Up」を通じたPHRサービスの提供や、AIを用いた診断アシストエンジンの開発など、ICTを活用した多角的なアプローチを行っています。

KPI

第13期の連結業績は、売上収益が前年比20.9%増の50,462百万円に達し、営業利益も同20.7%増の10,521百万円と大幅な成長を記録しました。EBITDAは13,178百万円(マージン26.1%)となり、安定した収益構造を示しています。

セグメント別では、ヘルスビッグデータが売上44,070百万円、遠隔医療が6,392百万円を計上しました。特にヘルスビッグデータ分野では、取引先の増加と製薬・保険企業との取引拡大により、前年比で大幅な増収増益を達成しています。

成長ドライバー

成長の源泉は、単なるデータの提供から「高付加価値化(アップセル)」への移行にあります。具体的には、分析環境の提供やコンサルティング、アプリケーション開発を強化することで、顧客あたりの取引額を高める戦略を推進しています。

また、「データ種類の拡充(クロスセル)」も重要な成長因子です。Pep Upにおいてレセプトや健診データに加え、活動量やゲノム情報を統合することで、より高度な因果関係の解析を可能にする取り組みを進めています。さらに、AIエンジン「AI-RAD」の開発やアジア展開に向けた準備など、技術革新による拡大も期待されます。

リスク

事業運営における主要なリスクとして、システムへの高い依存度が挙げられます。レセプトデータの分析や遠隔読聴マッチングはネットワークに依存しており、サイバー攻撃や自然災害によるシステムトラブルがサービス停止や信頼低下を招く可能性があります。

また、医療情報の取り扱いにおいて個人情報漏洩のリスクも常に伴います。さらに、遠隔医療においては契約読影医の不適切な行為による誤診リスクや、競合他社による技術・価格競争での優位性喪失といった外部環境の変化にも注意が必要です。

競合

同社はヘルスビッグデータ分野において、国内最大規模の匿名加工データを保有しており、製薬・保険業界における強固な基盤を有しています。独自のプラットフォーム「Pep Up」や高度な分析支援により、競合他社に対する優位性を構築しています。

遠隔医療分野では、希少な放射線診断専門医をマッチングする国内最大規模のネットワークを形成しており、深刻な医師不足という社会課題に対する解決策として独自の地位を確立しています。これらの強みは、単なるデータ提供を超えた高度なICTソリューションによって支えられています。

バリュエーション

2026年8月7日時点の市場データにおいて、同社の株価は3,375円となっています。この時の時価総額は約2208.7億円であり、PERは32.89倍、PBRは2.66倍と算出されています。

配当利回りは0.53%となっており、成長期待を反映した株価水準を形成しています。これらの指標は、同社が保有する独自のデータ資産と高度なICT技術の希少性を市場が評価していることを示唆しています。