事業モデル

同社は世界有数の製薬企業であるロシュとの戦略的アライアンスのもと、独自の研究開発力と高度な技術力を融合させた医薬品の提供を行っています。国内では特約店を通じて販売し、海外では複数の拠点を活用したグローバルな供給体制を構築しています。

研究開発においては、中外ファーマ・ヨーロッパや中外ファーマ・ユー・エス・エーなど、国内外の拠点と連携して展開しています。また、近年の動向として2025年11月にはレナリスファーマ株式会社を取得し、吸収合併を実施するなど、事業基盤の強化を進めています。

KPI

当連結会計年度の売上収益は1兆2,579億円(前年同期比7.5%増)を記録しました。そのうち製商品売上高は1兆778億円となり、国内および海外の両市場で堅調な推移を見せています。

利益面では、Coreベースの当期利益が4,510億円(同13.6%増)と9期連続の増益を達成しました。研究開発費は1,801億円を投じており、売上収益に対する研究開発費比率は14.3%となっています。

成長ドライバー

成長戦略「TOP I 2030」のもと、特に中分子技術の開発に注力しており、従来の低分子や抗体医薬では解決できなかったアンメットメディカルニーズへの対応を目指しています。また、生成AIを含むデジタル技術の活用により、研究開発プロセスの効率化を積極的に推進しています。

さらに、ルンスミオやフェスゴといった新製品が市場に順調に浸透しているほか、ヘムライブラなどの主力品も伸長を見せています。これらの革新的医薬品の創出と、ロシュとの連携によるグローバルな展開が将来の成長を牽引する重要な要素となります。

リスク

イノベーション3970の追求に伴うリスクとして、高度なサイエンスや技術の活用において、予期せぬ副作用や品質保証の課題に常に向き合う必要があります。また、製品の安定供給に向けたグローバルサプライチェーンマネジメントの強化も重要な管理項目です。

さらに、医療費抑制に向けた政策の厳格化や、地政学リスク、インフレ等の外部環境の変化が事業運営に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、同社はERM(全社的リスクマネジメント)の導入や独自のリスク管理システムを活用し、高度なリスク管理体制を構築しています。

競合

ヘルスケア領域では、デジタル技術の進歩に伴い、既存の枠を超えた多様なプレーヤーとの競争が激化しています。特に、限られた資源の中で価値の高いソリューションのみが選ばれる「VBHC(Value Based Healthcare)」の流れが加速しており、高度な差別化が求められています。

同社は、ロシュとの戦略的アライアンスによる強固な基盤と、独自のサイエンス力を武器にこの競争環境に対応しています。革新的な医薬品の創出を核としたイノベーションへの集中により、競合他社に対する優位性の確保と社会課題の解決を目指す構えです。

バリュエーション

2026年8月7日時点の株価は6,857円となっており、同日の市場データに基づくPERは23.92倍です。また、PBRは5.56倍と算出されています。

同日の市場データにおける配当利回りは1.93%となっています。これらの指標は、同社が追求する高度な技術革新と成長戦略の進捗を反映した評価となっています。