事業モデル

同社はパワーデバイス、パワーユニット、パワーシステムという3つの主要事業を展開しており、いずれも電力変換技術を核としています。各事業において、半導体技術や回路技術、実装技術を融合させることで、脱炭素社会の実現に寄与する製品を提供しています。

販売面では、国内のみならずアジア、北米、欧州などグローバルなネットワークを活用しており、多角的な販路を通じて世界市場へ展開しています。特にパワーデバイス事業においては、京セラ6971からの事業承継により製品ラインナップを拡充し、技術の融合による競争力の強化を図っています。

KPI

当連結会計年度の売上高は113,836百万円となり、前年同期比で7.6%の増加を記録しました。営業利益は3,848百万円と、構造改革の効果や増収による貢献により大幅な改善を見せています。

また、研究開発費として5,203百万円(売上高比4.6%)を投じており、次世代のSiCデバイスやワイヤレス給電技術などの高度な技術開発を推進しています。これらの投資は、将来的な成長に向けた製品ポートフォリオの構築に直面しており、中長期的な競争力の源泉となっています。

成長ドライバー

第17次中期経営計画において「強固な事業基盤の確立と資本効率の向上」を掲げ、M&Aや構造改革を通じて成長ステージへの移行を目指しています。特にパワーデバイス事業では、AI関連投資の拡大に伴う電源製品や半導体製造装置向けの需要増加が追い風となっています。

また、2030年に向けた長期ビジョンにおいて、脱炭素社会のキーパーツとなるパワーデバイスやモビリティソリューションへのリソース集中投下を計画しています。インド市場の開拓に向けた全社的な取り組みや、次世代化合物半導体への研究開発も重要な成長エンジンとして位置付けられています。

リスク

事業の多くが特定顧客による特注品に依存しており、特に二輪車を含む自動車市場の動向が業績に大きな影響を与えるリスクがあります。このため、産業機器や通信インフラなど多角的な市場への展開によりリスクの分散化を図っています。

また、原材料や半導体などの主要部品において外部供給元への依存があるほか、為替レートの変動による業績への影響も注視すべき要素です。さらに、電子部品業界特有の激しい価格競争や、海外進出に伴う地政学的リスク、サプライチェーンの寸断に対する備えが重要となります。

競合

同社はパワーエレクトロニクス分野において、独自の半導体技術と回路技術を組み合わせた高度な製品を提供することで差別化を図っています。特にパワーデバイスやパワーユニットの分野では、国内外で競合他社の参入による競争が激化しており、価格下落の圧力が強まる傾向にあります。

これらの競争環境に対応するため、同社は新製品の開発を通じた付加価値の向上と、サプライヤーとの連携によるコストダウン活動を推進しています。また、技術の融合や高度なシミュレーション技術の活用により、競合他社に対する優位性を確保するための研究開発体制を構築しています。

バリュエーション

2026年8月13日時点の市場データにおいて、同社の株価は3,240円となっており、PERは6.75倍と算出されています。PBRは0.52倍であり、配当利回りは2.70%を記録しています。

これらの数値は、同社が掲げる「資本効率の向上」や「PBR1倍以上を目指す」という経営目標に向けた変革期にあることを示唆しています。投資家に対しては、成長分野へのリソース投下と事業構造の最適化による企業価値の向上が期待される局面にあります。