事業モデル

同社は歯科医療用機器、歯科チェア、および一般産業用の切削・研削器の製造・販売を展開する精密機器メーカーです。事業は「歯科」「DCI」「外科」「機工」の4セグメントで構成され、それぞれが独自の技術基盤を有しています。

特に歯科分野ではハンドピースやマイクロモーターを、外科分野では脳神経外科等で用いられる骨切除機器を展開しており、高度な精密加工技術を強みとしています。また、機工事業では高精度・高回転のスピンドルなどを提供し、産業用分野でも確固たる地位を築いています。

KPI

当連結会計年度の売上高は81,179,143千円となり、前年同期比で5.4%の増収を記録しました。一方で、営業利益は14,089,536千円(同3.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,398,213千円の損失となり、利益面では減益の傾向にあります。

セグメント別では、外科事業が売上高で28.1%増、営業利益で18.5%増と大幅な成長を見せています。一方でDCI事業や機工事業は、売上高は増加したものの、EBITDAおよび営業利益のいずれも前年同期比で減益となるなど、セグメントごとに異なる動向を示しています。

成長ドライバー

中期経営計画「NV2030」において、同社は2030年までに売上高1,000億円から1,200億円、EBITDA 250億円から330億円を目指す野心的な目標を掲げています。この成長の柱として、歯科分野でのブランド強化やDSOビジネスの拡大、外科分野における新製品投入などが挙げられます。

また、若年層から高齢者までを対象とした「健康寿命の延伸」という社会課題への貢献を軸に、革新的な「削るテクノロジー」による新製品開発を推進しています。さらに、労働人口減少への対応として工場の自動化や、高度な技術を要する高付加価値スピンドルの開発にも注力しており、多角的な成長戦略を展開しています。

リスク

グローバル展開の規模が大きいため、為替レートの変動による業績・財務への影響がリスク要因として挙げられています。また、医療機器としての特性上、各国における医薬品医療機器等法やMDR、FDAといった厳格な法的規制への対応が不可欠です。

さらに、知的財産権に関する訴訟リスクや、製品の不具合に起因する製造者責任、サイバー攻撃による情報漏洩などのセキュリティリスクも特定されています。また、地政学的緊張の高まりや経済安全保障の観点からの輸出規制など、国際情勢の変化が事業活動に影響を及ぼす可能性も考慮されています。

競合

同社は「削るテクノロジー」という独自の技術基盤を核としており、歯科・外科の両分野において高度な切削機器を提供しています。特に医療現場での高い信頼を獲得するための品質管理体制(ISO13485等)の構築に注力しており、高品質な製品提供を通じて競合に対する優位性を確保しています。

機工事業においては、精密・微細加工分野に特化した高精度スピンドルを展開することで、産業用市場における独自の立ち位置を確立しています。各セグメントにおいて、既存技術の改良と新技術(超音波など)の活用を組み合わせることで、幅広いニーズへの対応と競争力の維持を図っています。

バリュエーション

2026年8月14日時点の株価は3,280円であり、同日の時価総額は約2724.1億円となっています。この際のPERは120.50倍、PBRは2.34倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは1.37%となっており、投資家に対して一定の還元姿勢を示しています。これらの数値は、同社が持つ高度な技術力や将来の成長期待を反映した市場評価の一部を構成していると考えられます。