事業モデル
同社は国内自動車関連事業、ヒューマンリソース事業、一般貨物事業、海外関連事業の4つのセグメントを展開する総合物流企業です。国内自動車関連事業では、新車や中古車の輸送、納車前整備、オークション運営など、自動車流通に不可欠な一連のサービスを提供しています。
ヒューマンリソース事業では、送迎事業やドライバー・倉庫作業員の派遣など、物流現場に特化した人材サービスを展開しています。一般貨物事業では、港湾荷役や運輸・倉庫事業、3PL事業を展開し、多角的な物流基盤を構築しています。
海外関連事業では、中古車の輸出や中国における新車の輸送を手掛けており、国内から海外まで広範なネットワークを構築しています。各事業を組み合わせることで、自動車流通における総合的なサービスプロバイダーとしての地位を確立しています。
KPI
当連結会計年度の売上収益は1,478億43百万円に達し、前年同期比105.0%と堅調に推移しました。営業利益は102億28百万円と、前年同期比164.4%と大幅な伸びを記録しています。
国内自動車関連事業の売上収益は695億19百万円、セグメント利益は90億47百万円と、2024年問題への対応や価格改定の推進が寄与しました。一般貨量事業においても、倉庫の空坪確保や火災損失の補償などにより、セグメント利益が前年同期比248.0%と大幅に増加しています。
海外関連事業では、中古車輸出事業の好調により、当連結会計年度の業績に寄与しています。これらの好調な推移により、当期利益は前年同期比173.0%と大幅な成長を遂げています。
成長ドライバー
国内自動車関連事業においては、2024年問題への対応として、分業体制の推進や乗務員の採用強化、協力会社への支払い単価の増額を実施しています。これらの施策により、輸送戦力を確保しつつ、2024年1月より順次実施した新車・中古車の輸送料金引き上げが利益獲得に寄与しました。
ヒューマンリソース事業では、送迎事業における料金改定や、ドライバーの採用手法の改善により、新規契約の獲得とMaaS事業への対応が進んでいます。人材サービス事業においても、派遣人員数の増加が収益を押し上げる要因となっています。
海外関連事業では、中古車輸出における運搬船の船枠確保に向けた体制構築が進み、滞留していた車両の船積みが加速しています。これらの取り組みにより、各事業領域での強固な基盤構築と収益性の向上が図られています。
リスク
主要顧客である日産自動車7201株式会社への売上依存度が高く、同社との取引状況の変化が業績に大きな影響を与える可能性があります。ただし、2027年3月末まで継続されることが基本合意されているNomination Letterの取得など、関係強化に向けた取り組みを継続しています。
物流の2024年問題に伴う、労働時間規制への対応や、人件費・労務費の単価上昇、車両・整備費の増加がコスト増要因として挙げられています。これに対し、空車区間の削減や、運送単価の引き上げ交渉、デジタル化の推進などによる対応策を講じています。
また、貨物自動車運送事業法等の規制や、排気ガスの規制、道路交通法の遵守など、法規制への対応が事業継続の前提となっています。これらの規制への対応や、将来的な規制強化に伴うコスト増への対応が、継続的な課題として認識されています。
競合
国内自動車関連事業の車両輸送においては、多くの競合が存在するものの、同社は陸上・海上輸送の全国ネットワークを強みとしています。特に長距離輸送への対応力や、特殊な荷物である自動車の輸送機材に関する供給制約が参入障壁となっています。
ヒューマンリソース事業では、一般的な派遣よりも自動車の運行管理やドライバー派遣に特化しており、他事業とのシナジーを発揮しやすい構造です。一般貨物事業においても、参入障壁の高い港湾事業や地域性を活かせる3PL事業を主軸としています。
海外関連事業では、中国における車両輸送において日本基準の高い輸送品質を強みとしており、中古車輸出事業では特定の地域に集中することで高い顧客満足度を獲得しています。これらの強みにより、競合他社との差別化を図っています。
バリュエーション
2026年8月19日時点の株価は3,505円となっており、同日の時価総額は約602.4億円です。この時点でのPERは8.44倍、PBRは1.25倍と算出されています。
同日のデータに基づく配当利回りは4.00%となっており、安定した配当水準を示しています。これらの数値は、同社の事業基盤と成長性を反映した評価となっています。
中期経営計画の目標として、2027年6月期に売上収益1,500億円以上、営業利益100億円以上、ROE14.0%以上、PBR1.0倍以上、PER8.0倍以上を目指しています。現在の市場データは、これらの目標に向けた良好な位置付けを示唆しています。
