事業モデル
同社は、曳船、海事関連、旅客船の3つの主要な事業を展開するマリンサービス提供企業です。主力である曳船事業では、東京湾全域における船舶の安全航行サポートや、海難事故への即応といった公共的な役割を担っています。
海事関連事業では、洋上風力発電向けの交通船(CTV)の運航や、船舶の貸船、海上防災事業などを提供しています。旅客船事業では、カーフェリーの運行や、それに付随する売店・食堂などのサービスを提供し、地域貢献型の事業として位置づけています。
KPI
当連結会計年度の売上高は、前年度比9.2%増の13,144百万円となりました。このうち、主力である曳船事業は、2025年5月からの料金改定や入出港船舶の推移により、前年度比10.7%増の9,517百万円を計上しています。
海事関連事業は、洋上風力発電関連のCTV運航が大幅に増加したことで、前年度比100.4%増の1,956百万円となりました。一方で、旅客船事業は、一部事業の移管や集約の影響により、前年度比32.3%減の1,670百万円となっています。
成長ドライバー
成長の柱として、洋上風力発電関連の事業が挙げられます。特に、国内の洋上風力発電プロジェクトの進展に伴い、CTVの運航需要が拡大しており、同事業は大きな成長機会として捉えられています。
また、技術革新による脱炭素化も重要な成長戦略です。2023年に就航させたハイブリッド型電気推進曳船の知見を活かし、2030年を目途とした純バッテリー曳船の投入や、代替燃料を用いた環境負荷の低い船舶の開発を推進しています。
リスク
事業運営における主要なリスクとして、燃料油や原材料の価格変動、および地政学リスクによる供給網の寸断が挙げられます。これに対し、同社は燃料油価格の約30%を繰延ヘッジ取引でカバーし、複数ルートからの調達により安定供給の確保に努めています。
また、海難事故による人的・物的被害や、サイバー攻撃によるシステム障害、さらには大規模な自然災害による事業継続への影響もリスクとして認識しています。これらに対し、HSEQ体制の強化や、ITバックアップ体制の構築、複数拠点でのオペレーション体制の維持などの対策を講じています。
競合
同社が参入する洋上風力発電関連の船舶・付随業務の分野は、競争が激しい環境にあると認識されています。しかし、同社は長年の経験に基づく専門性を強みとして、この分野を新たな成長機会として捉えています。
曳船事業においては、入出港船舶の数に大きな変動要因がない一方で、コスト増への対応が課題となっています。これに対し、ITの高度化やAIを活用した配船支援システムの導入、および運航定員削減に向けた交渉を通じて、競争優位性の確保とコスト低減の両立を図っています。
バリュエーション
2026年8月19日時点の市場データにおいて、同社の株価は864円となっています。この時点での時価総額は約88.9億円であり、PERは1.76倍、PBRは0.31倍と算出されています。
同社の配当利回りは、2026年8月19日時点で2.24%となっています。これらの指標は、同社の事業基盤と将来の成長への期待を反映する要素となります。
