事業モデル

同社は、国内最大級のユーザー基盤を誇る通信・IT企業グループとして、コンシューマ向けとエンタープライズ向けの両面で事業を展開しています。コンシューマ事業では、モバイル、ブロードバンド、電力サービスを提供し、独自の経済圏を活用した付加価値の提供を行っています。

エンタープライズ事業では、法人向けモバイル、固定サービスに加え、データセンター、クラウド、セキュリティ、AI、IoTなどの高度なソリューションを提供しています。また、ディストリビューション事業を通じて、最新のテクノロジーを活用した多岐にわたるプロダクトを供給する体制を整えています。

KPI

同社は、2026年3月期の親会社の所有者に帰属する純利益として5,508億円を計上し、目標の5,430億円を上回る過去最高を更新しました。この結果は、通信事業の収益基盤の強化と非通信事業の成長による事業基盤の再構築が奏功したものと分析されます。

今後の目標として、2031年3月期に向けた次期中期経営計画では、連結営業利益1兆7,000億円、親会社の所有者に帰属する純利益7,000億円の達成を目指しています。これらの目標達成に向け、AIの可能性を全事業で引き出す「Activate AI for Society」を成長戦略の柱に据えています。

成長ドライバー

成長の核となる「Activate AI for Society」戦略のもと、AIインフラやAIサービスの収益化を推進し、全事業セグメントの進化を図っています。具体的には、国内最大規模のAI計算基盤や、データ主権を確保したソブリンクラウドの提供など、高度なインフラ整備に注力しています。

通信分野では、HAPS(成層圏通信プラットフォーム)の活用による次世代の3次元通信ネットワークの構築や、6Gを見据えた技術開発を推進しています。また、国産LLMの活用や、他社との提携による高度なAIソリューションの提供を通じて、法人顧客のDX需要に応える体制を強化しています。

リスク

同社は、通信サービスや情報セキュリティ、システムに関連するリスクに対し、独自の「3線モデル」に基づく厳格な管理体制を構築しています。リスクマネジメント室が独立した立場からリスクの把握と対策状況を定期的に確認し、経営陣や社外取締役へ報告する体制を整えています。

また、リスクの評価にあたっては、短期、中期、長期の異なる時間軸を設定し、リスクだけでなく「機会」も含めた多面的な分析を実施しています。さらに、全社員への教育や、外部機関による内部統制の評価を受けることで、リスク管理の精度向上と強靭な経営基盤の構築に努めています。

競合

同社は、国内有数の通信ネットワークと、Yahoo! JAPANやLINE、PayPayといった強力なユーザー基盤を統合した独自のポジションを確立しています。競合環境においては、単なる通信の提供に留まらず、高度なデジタルマーケティングやAIソリューションを組み合わせた付加価値の提供で差別化を図っています。

特にエンタープライズ領域では、高度なDX需要や生成AIの普及を背景に、インフラ層からアプリケーション層までを統合的に提供する体制を構築しています。これにより、通信事業の安定した収益基盤を土台としつつ、AIやクラウドといった成長性の高い領域での競争優位性を確保することを目指しています。

バリュエーション

2026年8月19日時点の市場データにおいて、同社の株価は232.4円となっています。この時点での時価総額は約112,361.4億円と算出されています。

同社の投資指標については、2026年8月19日時点でPERは20.82倍、PBRは3.86倍を記録しています。また、同日時点の配当利回りは3.75%となっており、強固な事業基盤と成長戦略への期待が反映された数値となっています。