事業モデル
映画事業、IP・アニメ事業、演劇事業、不動産事業、その他事業の5つの柱で構成される多角的な事業展開を行っています。映画事業では、自社作品の製作・配給から、TOHOシネマズを通じた興行、さらには美術制作を含む映像関連事業まで一貫した体制を構築しています。
不動産事業においては、約130物件の保有による賃貸事業や、道路の維持管理、施設の管理・清掃といった安定的なキャッシュ・フローを生む事業を展開しています。また、IP・アニメ事業では、国内外での映像利用や商品化権の活用、海外展開の推進を通じて、コンテンツの価値を最大化する構造を構築しています。
KPI
当連結会計年度の営業収入は3606億6千3百万円となり、前年度比15.2%の増加を記録しました。営業利益は678億8千9百万円(同5.0%増)、経常利益は701億4千万円(同8.8%増)と、堅調な推移を見せています。
特に映画事業における営業収入は64,368百万円(前年度比34.5%増)と大きく伸長しており、興行の好調が寄与しています。また、映画興行事業の入場者数は49,002千人と前年度比27.6%増加しており、集客力の高さが裏付けられています。
成長ドライバー
「TOHO VISION 2032」において、アニメ事業を「第4の柱」と位置づけ、成長の主要なドライバーとして位置づけています。特に「ゴジラ」などの強力なIPを活用した商品化や、海外展開の加速が成長の鍵となります。
また、中期経営計画では「人材」「コンテンツ・IP」「デジタル」「海外」の4点を重点領域として掲げています。これらの要素を掛け合わせることで、時間や空間、言語の壁を越えた世界的な展開を目指す戦略を推進しています。
リスク
コンテンツ制作の性質上、作品の評価や興行状況、制作スケジュール、出演者の動向などによる不確実性が常に伴うリスクがあります。特に、作品の不振やトラブルによる公開延期・中止は、収益の減少やブランドへの影響を招く可能性があります。
また、知的財産権の侵害や海賊版の流通、演劇チケットの不正転売といったリスクも課題として認識されています。さらに、不動産事業においては、資材高騰や人手不足によるコスト増、投資回収期間の長期化といった外部環境の変化による影響も想定されています。
競合
映画、アニメ、演劇といったエンタテインメント分野において、独自の強力なIPを保有し、制作から配給、興行までを垂直統合に近い形で展開しています。特に「ゴジラ」などの強力なIPは、他社との差別化要因として重要な役割を果たしています。
不動産事業においては、安定した賃貸需要やインバウンド需要を背景に、強固な事業基盤を構築しています。これらの多角的な事業ポートフォリオにより、単一のコンテンツの成否に左右されにくい、強固な経営基盤を構築しているとみられます。
バリュエーション
2026年8月19日時点の市場データにおいて、株価は1,535円、時価総額は約12527.7億円となっています。この時点でのPERは24.63倍、PBRは2.50倍と算出されています。
同日時点のデータに基づく配当利回りは1.46%となっています。これらの指標は、同社が保有する強力なIPや不動産などの資産価値、および将来の成長期待を反映した水準となっています。
