事業モデル

トヨタ自動車は、自動車事業を中心に、金融事業およびその他の事業を展開するグローバル自動車メーカーです。自動車事業では、セダン、ミニバン、SUV、トラック等多様な車種を設計・製造・販売しており、連結販売台数の約87%を自動車事業が占めています。金融事業は、自動車販売を補完するための販売金融やリースを提供し、その他事業には情報通信などが含まれます。

同社は、子会社602社、関連会社および共同支配企業159社(2026年3月31日現在)からなる巨大なグループを形成し、日本、北米、欧州、アジアなど世界各地で事業を展開しています。生産は、国内ではトヨタ車体などに委託し、海外ではケンタッキー工場などで行っており、販売は国内の販売店網と海外の販売会社を通じて行われます。

KPI

2026年3月期の連結販売台数は959万5千台で、前期比23万2千台(2.5%)の増加となりました。内訳は、日本が208万2千台(前期比4.6%増)、海外が751万3千台(同1.9%増)です。生産台数は、自動車事業全体で929万2,573台(前期比2.7%増)となり、日本、北米、欧州、アジアで増加しました。

業績面では、営業収益は50兆6,849億円(前期比5.5%増)に拡大したものの、営業利益は3兆7,662億円(前期比21.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3兆8,480億円(前期比19.2%減)と減益となりました。営業利益の減少要因は、諸経費の増加(△2兆300億円)や為替変動の影響(△1,950億円)などが挙げられます。

業績推移

売上高の推移(通期・直近4期)。FY2023 37.2兆円、FY2024 45.1兆円、FY2025 48.0兆円、FY2026 50.7兆円。13.5兆円の増加

売上高の推移(通期・直近4期)。出典は kabu-insight(yfinance 由来)の通期実績で、古い期から新しい期の順に並べた。

FY2023の売上高は37.2兆円。
FY2024の売上高は45.1兆円。
FY2025の売上高は48.0兆円。
FY2026の売上高は50.7兆円。

成長ドライバー

成長ドライバーとしては、まず「商品と地域を軸にした経営」によるフルラインアップ商品とグローバルな事業基盤が挙げられます。特に、北米市場での販売台数が前期比で増加しており、地域別では北米が全体の30.6%を占める主要市場となっています。また、モビリティカンパニーへの変革を掲げ、Toyota Mobility Conceptのもとで新たな技術開発や基盤づくりを進めています。

さらに、2025年10月のジャパンモビリティショーで「センチュリー」ブランドを新たに提案し、日本発の価値創造を通じた成長を目指しています。研究開発費は1兆5,228億円と巨額で、電動化や知能化など次世代技術への投資が将来の成長を支えるとみられます。

リスク

主なリスクとして、世界の自動車市場での競争激化が挙げられます。CASEなどの技術革新により競争が一層激化し、販売台数の減少や価格低下を招く可能性があります。また、自動車市場の需要は景気動向や規制、燃料価格などに左右され、需要変動が業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。

さらに、お客様のニーズに迅速に対応した新商品を投入できないリスクや、効果的な販売・流通網を展開できないリスクがあります。ブランド・イメージの低下や、特定の仕入先への依存による部品供給の中断も懸念されます。加えて、各国の関税や規制変更、地政学的な緊張も事業リスクとなります。

競合

世界の自動車市場は非常に競争が激しく、トヨタは各地域で自動車メーカーと競争しています。競争要因としては、製品の品質、安全性、燃費、革新性、価格、カスタマーサービスなどが挙げられます。近年は電動車へのシフトやCASE技術の進展により、競争はさらに激化しており、業界再編の可能性も指摘されています。

トヨタは、フルラインアップの商品とグローバルな生産・販売網を強みに、競争力を維持しています。特に、ハイブリッド車など電動化技術で先行しているとみられますが、新興メーカーの台頭や既存大手の電動化戦略により、競争環境は厳しさを増しています。

バリュエーション

2026年9月3日時点の株価は3,117円で、時価総額は約36兆8,991億円です。PERは8.87倍、PBRは0.99倍、配当利回りは3.21%となっています。株価は前期の減益を受けて割安水準にあるとみられます。

PBRが1倍を下回っており、市場が成長性に慎重な見方をしている可能性があります。一方、配当利回りは3%を超えており、株主還元の観点からは一定の魅力があります。今後の業績回復と成長戦略の進捗が株価評価に影響すると考えられます。