事業モデル
当社グループは、プリント配線板事業と検査機・ソリューション事業の2セグメントで構成され、プリント配線板事業が売上高の大部分を占めています。プリント配線板事業では、両面基板・多層基板を主力に、設計から試作、量産、実装までを一気通貫で提供し、国内外の自社工場に加え、OEM委託先も活用した複数のサプライチェーンを有しています。
検査機・ソリューション事業では、自社開発のプリント配線板外観検査機「VISPER」を約30年にわたり販売しており、2026年には次世代モデル「VIZERA」を開発・販売開始しました。また、運送業やロボット販売なども手掛けています。
KPI
当連結会計年度の売上高は29,118百万円(前年同期比0.7%減)、営業利益は2,030百万円(同21.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,309百万円(同36.9%減)でした。セグメント別では、プリント配線板事業の売上高は28,549百万円(同0.5%減)、セグメント利益は2,038百万円(同21.4%減)で、検査機・ソリューション事業の売上高は510百万円(同9.5%減)、セグメント利益は5百万円(同42.2%減)でした。
受注実績では、プリント配線板事業の受注高合計は前年同期比104.6%と増加し、受注残高も同104.6%となりました。特に多層プリント配線板の受注残高は前年同期比108.0%と好調です。生産実績では、片面プリント配線板が前年同期比108.3%と増加しました。
業績推移

売上高の推移(通期・直近4期)。出典は kabu-insight(yfinance 由来)の通期実績で、古い期から新しい期の順に並べた。
FY2023の売上高は328.6億円。
FY2024の売上高は288.3億円。
FY2025の売上高は293.4億円。
FY2026の売上高は291.2億円。
成長ドライバー
成長ドライバーとして、高付加価値製品への注力が挙げられます。環境対応型基板として、インクジェット塗布技術を用いたソルダーレジスト工程の開発や、LDX基板(シルクレス基板)との併用による効果向上を進めています。また、金属ベース基板、厚銅基板、IVH基板など、高放熱・大電流・高信頼性が求められる分野向けの製品を開発しています。
海外展開では、成長市場であるASEAN・インドへの進出を積極的に進めており、タイの販売子会社に加え、2025年4月にはインドに販売子会社を設立しました。また、タイのOEM委託先との業務提携により、製造技術力と販売ネットワークを相互活用しています。中期経営計画では、2027年3月期に売上高330億円、営業利益26億円を目標としています。
リスク
主要顧客の業界動向に影響を受けやすく、カーエレクトロニクスやホームアプライアンスなど最終製品の生産台数に販売が左右されます。実際、主力のカーエレクトロニクス分野の回復遅れが減益の一因となっています。また、海外展開に伴い、法規制の変更や政治・経済要因、為替変動などのリスクがあります。
原材料価格の高騰もリスクです。プリント配線板の主原料である銅張積層板は、銅相場や原油価格の影響を受けます。当連結会計年度も原材料やエネルギー費の高騰が利益を圧迫しました。さらに、技術革新への対応遅れや、製品欠陥によるリコール、情報セキュリティ、自然災害などもリスクとして挙げられます。
競合
プリント配線板業界は、海外メーカーの品質向上や日系顧客の調達先多様化により競争が激化しています。当社は、高品質・高付加価値製品の供給体制に加え、複数のサプライチェーンを活用した柔軟な対応を強みとしています。特に、多層基板の内層部分を他社基板メーカーに販売する事業を拡販しており、業界内での独自のポジションを築いています。
検査機事業では、自社開発の外観検査機「VISPER」が約30年の実績を持ち、国内だけでなく海外でも支持されています。2026年に発売した次世代モデル「VIZERA」は、人手不足や技能継承といった業界課題に対応する製品として、競争力の強化が期待されます。
バリュエーション
株価は449円(2026年9月3日時点)で、時価総額は約67.3億円です。PERは5.13倍、PBRは0.62倍、配当利回りは4.45%となっています。PBRが1倍を下回っており、市場からは資産価値に対して割安に評価されている可能性があります。配当利回りは4%を超えており、株主還元策として一定の魅力があります。
