事業モデル

当社グループは、電子部品等の部材調達、EMS(電子機器受託製造サービス)、物流等のサービスをグローバルに提供する企業で、商社機能とメーカー機能を併せ持つ点が特徴です。事業は「日本」「中華圏」「東南アジア」「欧州」「米州」の5つの報告セグメントに分かれ、各地域に生産・販売子会社を配置し、顧客のニーズに応じた部材調達から製造までを一貫して提供しています。

取扱品目は車載関連機器、産業機器、家電機器、情報機器、一般電子部品など多岐にわたり、特に車載関連と産業機器分野を注力領域と位置づけ、連結売上高の約8割を占めるまでに成長しています。また、バイオ抗体医薬品の受託開発製造を行う子会社も有し、新たな事業領域として育成を図っています。

KPI

当連結会計年度の売上高は2,894億9,100万円で、前年比4.2%減となりました。営業利益は88億5,300万円(前年比3.4%増)、経常利益は92億3,200万円(同11.4%増)と増益を確保しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は24億8,800万円(同33.7%減)と減少しています。

セグメント別では、東南アジアが売上高1,099億4,000万円で最大、日本が922億3,200万円、中華圏が758億6,000万円と続きます。利益面では東南アジアのセグメント利益が46億7,000万円と最も大きく、米州も42億8,300万円と堅調ですが、欧州は12億9,700万円のセグメント損失となっています。総資産は2,078億6,200万円、自己資本比率は49.7%に改善しました。

業績推移

売上高の推移(通期・直近4期)。FY2022 2,770.3億円、FY2023 3,097.7億円、FY2024 3,023.1億円、FY2025 2,894.9億円。124.6億円の増加

売上高の推移(通期・直近4期)。出典は kabu-insight(yfinance 由来)の通期実績で、古い期から新しい期の順に並べた。

FY2022の売上高は2770.3億円。
FY2023の売上高は3097.7億円。
FY2024の売上高は3023.1億円。
FY2025の売上高は2894.9億円。

成長ドライバー

中長期的には、CASEやIoTといった技術革新の進行に伴い、自動車や産業機器の電動化ニーズが拡大すると見込まれており、当社グループはこの市場成長を取り込む方針です。特に車載関連分野では、カーマルチメディアやECU、準ミリ波レーダーなど、電動化・自動運転に関連する部材の需要増が期待されます。

また、中期経営計画「SIIX VISION 2026」のもと、新規ビジネスとしてプリンテッドエレクトロニクス、ロボティクス、人材紹介ビジネスに注力し、収益率の向上を目指しています。さらに、バイオ医薬品CDMO事業では、連続生産技術の開発を進めており、第1相臨床試験から商用製造まで対応可能な抗体医薬品の生産体制を構築することで、新たな成長の柱に育てる考えです。

リスク

主要なリスクとして、市況変動が挙げられます。特に車載関連と産業機器分野が売上の約8割を占めるため、これらの分野における顧客の生産動向や需要変動が業績に直結します。デジタル家電などでは需給ギャップによる生産調整や在庫増加、利益率低下の可能性があります。

また、グローバルに事業を展開するため、為替変動リスクやカントリーリスクも重要です。為替については、同一通貨での仕入販売や為替予約などでヘッジしていますが、急激な変動は業績に影響を与える可能性があります。さらに、各国の政治経済情勢の悪化や法規制の変更、自然災害、感染症のまん延などもリスクとして認識されています。品質問題や情報セキュリティ、気候変動への対応も課題です。

競合

エレクトロニクス業界では、グローバル規模での水平分業化や企業間アライアンスが進展しており、EMS市場は成長を続けています。当社グループは、商社機能とメーカー機能を併せ持つ独自のポジションを強みとしており、部材調達から製造、物流までを一貫して提供できる点が競争優位性となっています。

競争環境としては、大手EMS企業や専門商社などが存在しますが、当社は車載関連や産業機器といった特定分野に注力し、日系・非日系を問わず大手グローバル企業との取引拡大を目指しています。また、生産拠点を複数国に分散することで、国際情勢の変化に機動的に対応できる体制を強みとしています。

バリュエーション

株価は2026年9月3日時点で1,615円、時価総額は約752.3億円です。PERは19.19倍、PBRは0.68倍、配当利回りは3.13%となっています。PBRが1倍を下回っており、市場からは資産価値に対して割安に評価されている可能性があります。

当期純利益の減少によりPERは上昇していますが、営業利益や経常利益は増加しており、収益力の改善が進んでいます。配当利回りは3%を超えており、株主還元も一定水準を維持しています。今後の業績回復と成長戦略の進捗が株価評価に影響を与えるとみられます。