事業モデル
Zillow Groupは、米国において住宅の売買・賃貸・住宅ローンに関する総合プラットフォームを運営しています。事業は主に住宅、住宅ローン、賃貸、その他の4つのカテゴリーに分かれ、不動産エージェント向けの広告・マーケティング支援、SaaS型の顧客管理ツール、住宅ローンの組成、タイトル・エスクローサービスなどを提供しています。収益は主にエージェントからの広告料やソフトウェアのサブスクリプション、住宅ローン関連の手数料などから得ており、複数の収益源を持つビジネスモデルです。
同社はZillow、Trulia、StreetEasyなどのブランドを展開し、消費者と不動産プロフェッショナルを結びつける役割を担っています。また、賃貸物件の広告や物件管理ツール、新築住宅のマーケティング支援なども手がけており、住宅関連の幅広いニーズに対応しています。従業員数は7,232人で、シアトルに本社を置いています。
KPI
最新会計年度(FY2025)の売上高は25.8億ドル(2,583百万ドル)で、前年比15.5%増と堅調に成長しました。営業利益率は-1.2%と赤字幅が大幅に縮小し、純利益は黒字に転換しています。ROEは0.5%とわずかながらプラスに転じ、収益性の改善が進んでいます。
直近3期の推移を見ると、FY2023の売上高は19.4億ドル、営業利益率は-12.7%、ROEは-3.5%でした。FY2024には売上高が22.4億ドル、営業利益率-8.5%、ROE-2.3%と改善し、FY2025には売上高25.8億ドル、営業利益率-1.2%、ROE0.5%とさらに改善しています。売上高の成長率はFY2025で15.5%と加速しており、収益基盤の拡大が続いています。
業績推移

売上高の推移(通期・直近3期)。出典は kabu-insight(yfinance 由来)の通期実績で、古い期から新しい期の順に並べた。
FY2023の売上高は19.4億ドル。
FY2024の売上高は22.4億ドル。
FY2025の売上高は25.8億ドル。
成長ドライバー
成長の主な原動力は、住宅市場のデジタル化の進展と、同社のプラットフォーム上での取引件数の増加です。特に、住宅ローン事業や賃貸事業の拡大が収益の多様化に寄与しており、住宅エージェント向けのSaaSツールやマーケティングソリューションの需要も高まっています。また、新築住宅のマーケティング支援や、タイトル・エスクローサービスなどの周辺事業も成長を牽引しています。
さらに、同社はテクノロジーを活用した顧客体験の向上に注力しており、アプリやウェブサイトの利便性向上がユーザー数の増加につながっています。住宅市場の回復局面では、広告需要の拡大や住宅ローンの組成件数増加が期待され、売上高の成長を後押しするとみられます。
リスク
主要なリスクは、住宅市場の変動による広告需要の減少です。金利上昇や景気後退時には住宅取引が低迷し、エージェントの広告支出が削減される可能性があります。また、同社は営業利益率が依然として低く、収益性の改善が遅れるリスクがあります。さらに、競争の激化によりマーケティング費用が増加し、利益を圧迫する可能性があります。
規制面では、住宅ローンや不動産取引に関する法規制の変更が事業に影響を与える可能性があります。また、データプライバシーや消費者保護に関する規制強化もリスク要因です。テクノロジー依存度が高いため、システム障害やサイバーセキュリティの問題も事業継続に影響を及ぼす可能性があります。
競合
競争環境としては、不動産ポータルサイトや住宅関連サービスを提供する企業が多数存在します。特に、RedfinやRealtor.comなどの競合他社が同様のサービスを展開しており、市場シェアの獲得競争が続いています。また、住宅ローン分野では、従来の金融機関やフィンテック企業との競合もあります。
同社は、ブランド力とデータ資産を活かして差別化を図っていますが、競争激化により広告価格の低下や顧客獲得コストの上昇が生じる可能性があります。また、テクノロジー企業や新興企業の参入により、市場の競争構造が変化するリスクもあります。
バリュエーション
最新の市場データによると、株価は33.29ドル(2026年9月1日時点)で、時価総額は約80.2億ドル(8,019百万ドル)です。PERは155.04倍と非常に高く、市場は今後の成長を強く織り込んでいることがうかがえます。PBRは1.76倍で、株価は純資産に対して割高な水準にあります。
配当は実施しておらず、株主還元は成長への再投資に充てられています。高いPERは、黒字転換後の収益成長が続くとの期待を反映したものですが、業績が計画を下回った場合には株価調整のリスクがあります。バリュエーションは成長性を考慮しても割高感があり、投資判断には慎重な見極めが必要です。
