事業モデル

TeraWulfは、米国においてデジタルインフラを所有・開発・運営する企業で、ビットコイン採掘施設と高性能コンピューティング(HPC)向けの施設を展開しています。同社はクリーンで低コストかつ信頼性の高いエネルギーを活用し、ビットコイン採掘とHPCワークロードの両方を支えることを特徴としています。2021年に設立され、メリーランド州イーストンに本社を置きます。

事業の中心は、自社で開発・運営するビットコイン採掘施設であり、これに加えてHPC向けのデータセンターサービスを提供しています。このように、暗号資産関連と従来型のハイパフォーマンスコンピューティングの両方にまたがる事業モデルは、収益源の多様化を図るものとみられます。

KPI

最新会計年度(FY2025)の売上高は1.7億ドル(168,455,000 USD)で、前年比20.3%増と堅調に拡大しました。一方、営業利益率は-101.1%と大幅な悪化を示し、営業損失が拡大しています。純利益は前年比で813.3%減少しており、収益性の改善が急務となっています。

ROEは-470.9%と前年度の-29.6%から急激に悪化しており、株主資本に対する損失の割合が非常に大きくなっています。現金及び現金同等物は26.2億ドル(2,619,191,000 USD)と潤沢で、今後の投資や運転資金には余裕があるとみられます。

業績推移

売上高の推移(通期・直近3期)。FY2023 0.7億ドル、FY2024 1.4億ドル、FY2025 1.7億ドル。1.0億ドルの増加

売上高の推移(通期・直近3期)。出典は kabu-insight(yfinance 由来)の通期実績で、古い期から新しい期の順に並べた。

FY2023の売上高は0.7億ドル。
FY2024の売上高は1.4億ドル。
FY2025の売上高は1.7億ドル。

成長ドライバー

売上高はFY2023の6,923万ドルからFY2024の1.4億ドル、FY2025の1.7億ドルへと毎年拡大しており、ビットコイン採掘事業とHPC事業の両方が成長を牽引しているとみられます。特に、HPC分野への進出は、暗号資産価格の変動に左右されにくい安定した需要を取り込む可能性があります。

また、クリーンエネルギーを活用した低コストの電力調達は、採掘コストを抑え、競争力を高める要因です。さらに、現金26.2億ドルを背景に、設備投資や新規施設の開発を積極的に進めることで、今後の成長を加速させることが期待されます。

リスク

最大のリスクは、ビットコイン価格の変動です。採掘報酬がビットコインで支払われるため、価格下落時には収益が直接的に悪化します。また、営業利益率が-101.1%と大幅な赤字であり、事業の継続には追加の資金調達やコスト削減が必要となる可能性があります。

さらに、ROEが-470.9%と極端に悪化しており、株主価値の毀損が懸念されます。電力コストや規制環境の変化もリスク要因であり、特に環境規制の強化は事業運営に影響を与える可能性があります。

競合

ビットコイン採掘業界は競争が激しく、大手採掘企業や低コストの電力を持つ新興企業との競争に晒されています。TeraWulfはクリーンエネルギーを活用した低コスト戦略で差別化を図っていますが、他社も同様の戦略を取る可能性があります。

HPC分野では、従来のデータセンター企業やクラウドプロバイダーとの競争が考えられます。同社の強みは、既存の採掘インフラをHPCに転用できる点ですが、技術的・資本的な競争は激しいとみられます。

バリュエーション

株価は14.41ドル(2026-09-01時点)で、時価総額は約76.6億ドル(7,659百万USD)です。PBRは52.03倍と非常に高く、市場は将来の成長を強く織り込んでいる一方、現状の収益性は赤字であるため、バリュエーションは割高感があります。

配当は行われていないため、投資家はキャピタルゲインを期待することになります。今後の収益改善と成長持続が、現在の高い評価を正当化できるかが焦点です。